明けましておめでとうございます。
2022年はCOVID-19パンデミックに全世界が振り回されながらもワクチンの開発と広く世界に実施されることによって少しづつ明るい展望が見えてきました。一方ロシアによる突然のウクライナへの軍事的侵攻はコロナ以上に深刻な政治的経済的な混乱を引き起こし2023年の年頭においても世界の先行きは全く見通せなくなりました。その影響は医学の世界ひいては医療の世界に多大の不確実性を伴って及んでいます。
2021年から2022年の春先まではすべての学術集会はオンライン形式であったものが2022年の後半には徐々にハイブリッド形式へと移行しながらフル対面形式の学術集会へと移行してきました。2020年の第27回幕張JPSTSS学会はフルオンライン形式で実施され、2021年の第28回の京都JPSTSS学会はハイブリッド形式の学会開催となり、2022年の第29回大分別府の学術集会は一部の企画を除いてフルの対面形式で実行されました。医学系の学術集会開催にとって激動の時代であったと思います。
この激動期の2021年9月~2022年3月に渡ってテレ手術見学教育研修プログラム(Tele Observing Surgery Program)略称TeleOSprogramの企画を立ち上げ実施しました。当学会で長らく行ってきたPedicle Screwing から始まったJPSTSS実習セミナーのコロナ時代のversionであると考えて企画実行いたしました。しかし最近テレ手術見学プログラムを立ち上げるにあたって作成したITプログラムの中に重大な不具合が生じてきたことが判明しました。どう対処すべきか重大な局面に差し掛かっていますが時間をかけて解決したいと思います。
これまで当学会は三原則1)個人主体の学会参加、2)整形外科と脳神経外科の集学、3)世界と同時進行を掲げて組織を運営してきました。しかし働き方や行動パターンがドラスチックに変わってきたポストコロナ時代に適応するにあたって当学会の組織の再構築が必要と考えるに至りました。具体的な方法の一つは当学会の組織特に人事を流動的にするために組織を法人化することが必要と考えています。来年には法人化した姿で出発できると確信しています。
そしてこの組織の再構築に当たって個人であるすべての会員が一つのスピリットを共有する必要があると考えています。それは何か。Appleを創始した天才スティーブンジョブスがスタンフォード大学の卒業式で若者たちへの檄として述べたと言葉【Stay hungry Stay foolish】にあやかりたい。過去3年にわたるコロナ禍のもとでワクチン一つ開発出来なかった我が国の医学の力を謙虚に受け止めて我が学会は【世界に学び】【Learn from the world】を基本姿勢としたい。日本語の言葉の障壁の井の中で互いに評価し合う空気を排除することです。そして天才スティーブンジョブスがイノベーションを追及して止まなかったスピリット【イノベーションを追及】【Keep innovative】にあこがれたい。
2023年9月の第30周年記念JPSTSS学術集会に向けて
JPSTSS学会統合本部
理事長 熊野 潔
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